ブリッジ訪問看護ステーション|京都・滋賀

作業療法士手記2(目標の重要性)

2014-12-12

臨床上、当然、目標を立てるのですが本当にいろいろですね。

「髪にドライヤーをかけたい。」「絵をもう一度描きたい。」

「一人でベッドから起きて立って車いすに座り、日中は座って過ごしたい。」

「掃除がしたい。」「衣替えがしたい。」「料理がしたい。」

などご本人の 興味、価値観などに沿って目標を決定します。(活動レベル)

できるだけ具体的な目標を設定する方が効果が上がりやすいのですが、 そうでない場合もあります。

 

「健康を保ちたい。」「うまく歩けるようになりたい。」「腕をもっと動かしたい。」などが そうです。

(機能レベル) 具体性がない場合においても、その目標に向かって作業療法は進められますが

なかなか効果判定(「活動レベルでの、どこまで何ができるようになったか」)が難しく 機能レベルでは

ご本人が何が変わったのかを実感できないことが多くなるように感じます。 (例えば、肩が5°上がるようになった、などは実感しにくい)

機能レベルが活動に結びつかないと なかなか実感は難しいようです。

 

人は報酬があると「さらにもっと」という欲求が出てきます。

前向きにもなります。 その「さらにもっと」が現実の自分に沿ったものであれば尚よしです。

この心理状態が非常に大切に感じます。

これは活動レベルで変化が起きた場合にご本人が 実感しやすいかと考えています。

目標に具体性を持たせるには作業療法士としての「アセスメント能力」が必須です。

いかに「目標を明らかにするか」「目標に対しての課題は何か」「目標を達成するための手段は何か」を 考え続けなければなりません。

大変な仕事ですがやりがいを感じます。

文章:作業療法士 T