ブリッジ訪問看護ステーション|京都・滋賀

利用者さんからの最後の一言

2019-09-30

私たちは様々な方と訪問看護を通してお会いさせていただいています

その中には毎回の全身状態にの観察や服薬確認であったり、入浴介助、医療的処置、リハビリならばどうすれば体が楽に動かせるようになるかなどといったものです。

もちろんご自宅で最期を迎えようとする方のお手伝いもさせていただいています。

今回の言葉は私が最後に訪問を行い、入院をされた方の一言を思い出し絶対に忘れてはいけないという思いで書かせていただこうと思います

その方は私たちが入浴のお手伝いに行かせていただいている方でした、それまでとてもお元気で少し体に不自由さがあったもののご自宅で過ごされている方でした。

検診により癌が発覚し、治療を勧められ大きな病院へ行く直前の訪問でした

その方とまずは治療を最優先して、またご自宅に帰ってくればいい。帰ってきたら必ずまた私たちは今までと同じようにきますと伝えました。

その方は「そんなん言うてくれるなら、頑張って治療してきますわ、そしたら必ずまた来てや!先生たちが来てくれるのが一番安心できるんや!」

私は「私はそんなの心配しなくても必ず来るから、帰ってくることを待ってます。」

とやり取りをしたの覚えています。

約二週間の入院期間と聞いておりそのあとは元のように訪問が再開するものだとどこか安易に考えていた私がいました。

先日担当のケアマネージャーより〇〇さんがお亡くなりになられましたと報告を受けるまでは・・・

私は今でもその方の言ってくださった言葉が耳から離れません。

私たちを信頼し笑顔で送ってくれたその方の心の中はどんなに複雑であったのかを

そしてその言葉が最後になることも

私たち訪問看護師が向き合うのは人です。

人はどんな元気そうな方でも、いつどのようになるかわからないと自分を含めて思っていました。

でも今回のことを通してその最後ばかりに目を向けるのでなく、その瞬間瞬間を大切にしていかなくてはならないと考えさせられました。

その方に教わった大切なことを今後も糧としてしっかり支えていきたいと誓います

 

ブリッジ訪問看護ステーション

所長 橋口 倫宏