ブリッジ訪問看護ステーション|京都・滋賀

自転車乗れた

2014-12-02

不肖の6歳のむすこがようやく補助輪なし自転車に乗れました。(不肖とは「愚か」という意味らしいですね)

そう、転倒という名の恐怖におびえ、なかなか練習が進まない中、近所の自分より小さな子たちにも先を越される日々が

長らく続いていたのです。

 

職業上、自転車に乗るという作業を達成するための戦略を密かに練っていました。

彼の価値観は・・・、自己効力感は・・・、遂行能力(今回、主にストレス耐性)は・・・、環境(自転車や道路など)は・・・。

 

一番の課題は「価値観」と「自己効力感」でした。自分が生きる上で大事にしている信条や自信です。

なぜか、彼は「失敗してはいけない。失敗は恥ずかしい。」という気持ちが強いようです。

そして失敗をすると泣きわめきます。失敗した自分に耐えられないようです。

 

では、どのように練習を促すべきか。

①環境調整(バランスのとりやすいよう、ハンドルの位置を下げる。サドルを下げ、容易に足が届くようにする)

②最初はこがずに坂道を片足だけでもあげて下る。次に両足をあげてくだるようにアドバイスする。(ハンドルでバランスをとる練習)

③ ②ができたら同じ状況で右足のみペダルに乗せる。

④ ③ができたら両足を乗せる。

⑤ ④ができたらこぐ。

⑥スピードが乗っている際に乗れるようになればそれを繰り返す。

⑦ ⑥ができたら足こぎでスピードをつけた上でペダルに足を乗せる。

 

⑤ができた時点で思わず息子にハグをしてしまいました。「ようやった!素晴らしい!」

むすこはニヤリ。そして自ら乗り方を私にフィードバックしている。

この時点で自己効力感(自信)は高まっている。つまりドーパミンというやる気をあげる物質がでまくっている状態となっているはず。

 

⑤が出来た後は1時間もせぬうちに⑥⑦ができました。

なんと、むすこは転倒せずに自転車が乗れました。親としては、擦り傷を作ってようやく乗れるようになる乗り物、

自転車のイメージがあっただけにもっと痛い目にあってほしかったのですが。

 

 

 

実際の作業療法場面でも、価値観や自己効力感は非常に大切です。この部分にどのようにアプローチをするのかが

作業療法士の中でも注目されてきています。

今月はその研修もあり、とても楽しみです。

作業療法士:T