ブリッジ訪問看護ステーション|京都・滋賀

私のお勧め書(言語聴覚士より)

2016-07-19

言語聴覚士のT.Iです。

本日は、私のお勧めの本を紹介します。その本は、「失語症者、言語聴覚士になる」(平澤哲哉著)です。平澤先生は、先月NHKのハートネットTVで特集されていましたが、“在宅”言語聴覚士の先駆者でもあります。

私が言語聴覚士の養成校時代から、何度も読み返しています。当然経験年数などによりとらえ方や感じ方は違いますが、失語症を経験した著者の心からのメッセージに自分が行っている臨床について振りかえさせられます。

失語症者は、目に見えない障害である為に周囲から理解されずに、孤独に陥りがちです。

孤独に陥らないように、失語症者が「いろいろとできる」ということを確認し自信を取り戻したり、失語症者を取り巻く関係障害を修復するように働きかけたりと地域の中でリハビリテーションを実践されています。

また、著者は言語聴覚士に対しても「失語症者の最大の理解者であるはずの言語聴覚士が、彼らの味方になり、また話せるようになりたいという気持ちを代弁していなかなければ、誰がその方たちを救えるというのか。なぜ、(もう限界です)と短期間の訓練で宣告するのか」とメッセージを送ってくれています。

地域の中で、失語症の方に対して言語機能面のみではなく心理的な支援も含めたリハビリテーションを実践するうえで、非常に参考になる本です。

興味がある方は、ぜひ一度読んでくださいね!